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※署名のない文章は渡辺一郎による。他の講師が担当した場合は署名を入れる。
■2000年7月の最新本試験情報
7/3 一部省庁で内定が出遅れる!
 内定者の大枠は決まったが、6月30日の時点で未だ内定を出せず、多くの受験生を拘束している省庁もあるようだ。もちろん、26日以降が官庁訪問であるという建前論もあろうが、実は切るに切れない事情もあるようだ。しかし、7月6〜7日には厳しい絞り込みが予想される。また、そこで切られた人を若干の枠を開けて待っている省庁もあるようだ。未だ官庁訪問は終わっていない。
7/4 国 II ・外専の本試験が終わる
 国 II と外専の本試験も終了した。教養試験は、知識が「やや難」、知能が「普通」(準備していた人はできたが、そうでない人はできないレベル)とのこと。
 国 II の専門は、行政系が「難」(特に、政治学と社会学)、法律系が「易」、経済系が「普通」と国 I とほぼ同じ傾向となったようだ。 
 外専の専門は、全体的に難しい問題ではないが、超典型論点ではなく、書きにくいとの印象を受けた。例えば、憲法第1問は、14条の問題(バイブル第8問に類題がある)だが、性別による差別に限定されている(日産自動車事件は間接適用の事例である。まずは、直接適用の事例を挙げなければならない)。第2問は、環境権(これもバイブル第17問に類題がある)で、憲法上の意義を論じるのだが、これは比較的書きやすかったと思われる。第3問は、裁判の公開原則(外交官論文答練2回目B-1の類題)だが、民事事件と刑事事件の違い(例えば、82条2項但書は後者のみに適用がある)を意識しながら、書かなければならない。
 他の科目も含めて、詳しくは7月8日(土曜日)午後6時からの解答速報会(早稲田経営学院東京本校)にて明らかにする。
7/8 国 I の正式の内々定
 7月7日(金曜日)、七夕というのに台風が接近する中、多くの省庁で正式の内々定が出たようだ。実は、「正式の官庁訪問開始(26日)から10日間は内々定を出さない」という取り決めがあったらしい。一応、その取り決めを形式上は遵守した形になっている。しかし、今年の官庁訪問(業務説明会を含む)は、特にいろいろ問題のある選考過程でもあった。
 ともあれ、国 I の受験戦線も2次試験に向かっている。内々定をもらった人は画竜点睛を欠かないよう、もらっていない人は2次落ち補充の枠をめざして、最後の努力を怠らないように!
7/13 国 I の2次試験迫る!
 7月16日からの国 I の2次試験が迫ってきた。数年前までとは違い約半数が落ちる油断のならない試験である。内々定をもらっている人がいろいろな意味で有利だが、2次で落ちる人もいる。逆に、内々定をもらっていなくても2次に合格する人もいる。内々定をもらっている人は画竜点睛を欠かないよう、もらっていない人は2次落ち補充を信じて、最後までがんばって欲しい。
 出題予想については講義で尽きているが、昨年の本ホームページのバックナンバーなども参照して欲しい。大まかな傾向としては、例えば、法律職の憲法は人権から、行政法は国家賠償法(または、改正・制定のあった法律)から、民法は総則〜担保物権(または債権各論、例えば売買・賃貸借・不当利得・不法行為)からの出題の可能性が高いとも言える。しかし、何が出るかはわからない。重要判例が最近出た分野とか苦手だが重要な分野は必ず押さえておこう。総合試験の比重も意外と高いらしい。文系型と理系型の問題が1題ずつ出る(1題選択)。総合的な視点から(例えば、法学部生は法律論に偏りすぎない。また、経済学部生は経済理論に偏りすぎない)、具体例や具体的な数字を挙げて論理を展開できるように準備しておくこと。
 その後には人事院面接もある。最後まで気を抜かず、がんばってほしい。
7/17 国 I の2次論文試験が終わる
 7月16日国 I の2次論文試験が終了した。
 総合試験は、行政・法律・経済職の受験生の多くは文系型の「官と民」の問題を選んだものと思われる。日頃から公務員の在り方をよく考えていた人には別段難しい問題ではない。
 法律職では、憲法は予想どおり人権(しかも本ホームページで何度も注意を促した重判)から出た。『石に泳ぐ魚』(芥川賞作家柳美里の小説)事件(平11重判5)を題材に、名誉権・プライバシー権、謝罪広告・裁判所の事前差止など多くの論点を含み、書くのに大変苦労したと思われる。行政法は、行政手続(審議会の諮問手続、理由付記)と取消訴訟(被告行政庁の理由の追加)などが論点の問題であった。試験委員の小早川先生が判例研究会で熱心に取り上げていた下級審の判例が出典らしい。3科目の中では一番難しかったようで、「何を書けば良いのか判らなかった」という評価が内々定者の中でも多数派だった有力省庁もある。民法は、遂に総則から出た。代理権の濫用が主な論点の問題である。どの科目も普通レベルであるが、2次の勉強をちゃんとやっていたかどうかでかなり差がついたと思われる。一応、自分なりに手応えのあった人は席次をかなり上げたものと考えてよい(ただし、専門科目の比重は昨年はあまり高くなかったらしいが……)。
 後は人事院面接(身辺調査もある)と最終合格発表を待つだけとなった。最後まで油断しないでがんばって欲しい。
7/24 人事院面接が始まる
 人事院面接が始まっている。すでに大阪では先週終了しているが、東京では24日から始まる。
 人事院面接にも問題は少なくない(「人事院面接の形骸化?」参照)が、時間に遅れないこと、服装に注意すること、面接カードと矛盾したことを言わないこと、面接官とケンカしないこと等、一般的な注意事項は厳守すること。なお、面接の成績は2次試験でかなりの比重を占めるらしい。内々定をもらっている人は油断しないで、誠実に面接に臨もう。また、もらっていない人は、公務員になりたいという意欲を積極的に示そう。
 最後の検討を祈る!
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